違わないことは心を何故か安定させる。 ― 2009/02/12 18:54
あと二ヶ月で4月。
北海道は春。
4月になれば・・・
・・・・・と歌ったのはサイモンとガーファンクルであったか。
しかし・・・・
ここしばらくは・・・
・・・タフな時間が・・・
・・・・・・・降り続く雪のように心と体に堆積した。
秋の日差しは店の中を黄金色で埋めていたその日。
西陽の眩しさに珈琲を啜り微笑んでいた彼。
不躾とも思えた電話機の呼び出し音。
・・・・・・・・・・それは叫き・・・
別れは唐突・・・・・・
・・無理に思いこんだ・・・見舞いに行こう・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・そう・・見舞いだ・・
・・・ついた先は見舞いには少し様子が違った・・・・・・
非情は心をもてあそぶ。
久方ぶりの故郷、函館、様子が俺に違う。
泊めてもらったホテルは知人の経営であったがそれは変わっていた。
港町の冷えきれない海風はどこにでも切なさで吹き込んでくる。
海風に追われた先に喫茶店の行灯・・・・・
・・・・なんと・・・・
・・・・・・・・・・・・BOPの文字が・・・・
文化・芸術に憧れた少年がJAZZから世界に眼を向かされた・・
・・・・そのジャズ喫茶・函館BOP
・・・・は噂にもらい火で閉店を余儀なくされたのを聞いた。
・・しかし復活していたのだ。場所も構えも違ってはいたが・・
幾多の名盤を抱え込んだレコード棚
60年代が結晶したオーディオ機器
彼等はその姿を隠してはいたが・・・
そこには少年だった眼に違わない・・・・・・・
・・・そう、マスターとママのいらっしゃいませ・・・・・
珈琲のぬくもりは港町を凍てつかせることをゆるさなかった。
元気でお過ごしのご様子。
嬉しかった。
違わないことは心を何故か安定させる。
BOPの向かい角に在ったのは昆布屋。
翌日訪ねたそこは相変わらずの仕事ぶり。
見事の一言。
店内左側に桟敷を切った上段に職人が数名陣取り・・・・
・・・・・・・・とろろ昆布を剥いている・・・・・・・・・
家内が父に手を引いてもらい良くこの店に・・・・・・・
・・・・・・・・昆布を求めに来たと懐かしそうにつぶやく・・
・・・・・・その義父も昨年夏に旅立った・・・・・・
・・・・求めたとろろ昆布は海風の匂いがした・・・・・・
・・・・・違わないことは心を何故か安定させる・・・・
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://caffe.asablo.jp/blog/2009/02/12/4114931/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。